2026/05/10 20:45
毎週日曜日のこの時間は、私にとって一週間を振り返る大切なひとときになっています。 今週の北海道は、ようやく春らしくなってきましたね。皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。 今週、私は新作のブックバンドと向き合っていました。 30年もミシンを踏んできたのだから、すいすいと進むはず……と思われるかもしれません。 でも、実際は格闘の連続でした。 納得がいかなくて、5回も6回もやり直したんです。 革という素材は、一度針を落とすと穴が残ります。 やり直すということは、今まで縫ってきたものを横に置き、また新しい革を切り出すところから始めるということ。 「それくらいでいいんじゃない?」 自分の中の誰かがささやくこともあります。 でも、その「それくらい」を許してしまったら、私が作る意味がなくなってしまう。 そんな気がして、何度もミシンを止め、革を切り直しました。 実は、そんな「やり直し」が続く中で、少し自分の技術に自信を失いかけていたんです。 「30年もやっているのに、私はまだこんなところで立ち止まっているのか」と。 そんな夜、一通のお手紙が届きました。 以前、オーダーいただいたブックカバーがどうしてもサイズが合わず、返品という形になってしまったお客様からでした。 お手紙を封から出すときは、申し訳なさで胸がキュッとなりました。 でも、そこに綴られていたのは、想像もしていなかった温かい言葉でした。 「心を込めて製作して頂いた事に、感謝申し上げます」 詳しい内容は私だけの宝物として胸に仕舞っておきますが、その一言を読んだ瞬間、アトリエで一人、涙が溢れてしまいました。 完璧ではなかったかもしれない。 お手数をおかけしてしまったかもしれない。 それでも、私の「一針一針に心を込める」という姿勢は、ちゃんと届いていたんだ。 そう思えたとき、今週の「5、6回のやり直し」も、決して無駄ではなかったんだと救われた気持ちになりました。 お詫びと、溢れるほどの感謝を込めて、お返事を書きました。 お手紙には、小さなリスを刻印したヌメ革のしおりを添えて。 このリスは、これから私が挑戦しようとしている「新しい場所」の象徴でもあります。 今回いただいた優しさを、また次の作品に込めて、別の誰かを笑顔にできるように。 7月に初めてのイベント出展を控えています。 今日お話ししたような、不器用で、頑固で、何度もやり直してしまう私ですが、だからこそお届けできる「熱」があると信じています。 会場で皆さまと直接お会いできるとき、 「これが、あの時何度もやり直して完成したブックバンドです」 と、胸を張ってお見せできるよう、明日からもまた誠実に向き合っていきます。 北海道のアトリエから、愛を込めて。🌻
こんにちは。 北海道のアトリエからお届けする、GIRASOLE(ジラソーレ)のナオです。 「5回、6回、やり直しました」
自信を失いかけた時に届いた、一通のお手紙
リスのしおりに込めた、感謝のしるし
7月のイベントに向けて
